WILLER EXPRESS「新木場BASE」

日本最高峰のバス営業所 WILLER EXPRESS「新木場BASE」に潜入!

今年オープンした話題の「新木場BASE」は
乗務員の健康と安全を突き詰めた施設だった!

2018年1月に稼働を開始したWILLER EXPRESSの「新木場BASE」。この施設は本社屋、乗務員の宿泊施設と食事施設、バスの駐車場や整備場を兼ね備えているだけなく、バスが60台駐車でき、乗務員も80名宿泊できる大規模な施設となっており、JRや地下鉄が乗り入れる新木場駅の眼の前という好立地なこともあり、業界注目の施設となっている。今回、そんな「新木場BASE」の内部を見る機会に恵まれたので、早速紹介していきたい。

CONTENTS 01

WILLER EXPRESSトップが描く「新木場BASEで実現させたい夢」

WILLER EXPRESS株式会社 代表取締役 平山 幸司 様
聞き手:リッツMC株式会社 代表取締役社長 中嶋 美恵

新しく開設した「新木場BASE」に賭ける思いを語ってくれた
WILLER EXPRESS株式会社 代表取締役 平山幸司氏。

まず、新木場BASEを設立された経緯を教えて下さい。

この施設は、当社乗務員の健康と安全の増進を実現するために設立した施設になります。以前は営業所と車庫が離れていたのですが、これをひとつの施設に集約するのに、4年ほどかかりました。我々のバスは、日本各地からディズニーリゾートに向かう路線が非常に多いので、首都高湾岸線付近で土地を探していたのですが、2020年の東京オリンピック開催が決定してから、余計に土地が見つからなくなってしまい大変でした。元々は、葛西臨海公園に営業所があり、当社のスタッフには「ここは仮設だよ。ちゃんとしたの作るよ」と常に言っていたのですが、「1年で移転するよ」と言っていたのが4年かかってしまいました。そういう意味では、乗務員からの期待値は感じていたし、もしかしたら「結局やる気ないんじゃないの」という思いもあったでしょう。

そういった中で、世間の安全への取り組みというか、安全に対する社会のニーズが非常に強くなってきたのを感じていました。特に、2015年7月に起こしてしまった東名阪道での事故については、非常に大きな衝撃を受けました。我々、WILLER EXPRESSが運行を始めて約9年間、バス会社をやってきた中でいうと、ひとつの岐路に立ったといっても過言ではないと思いました。

それまでも当然、安全最優先でやってきたのですが、自分たちの中では安全対策をかなりおこなっている方だと、いつの間にか過信していたのかもしれません。これは自責の念を込めて言うのですが、結果、委託先のバスといえど事故を起こしてしまったというのは事実です。こういったことを我々としては二度と起こしてはいけない。二度と起こさないためにはどうすべきか、ゼロベースから考えて、安全なサービスを提供できる会社になろうと誓ったわけです。

東名阪道の事故から数ヶ月間は国土交通省や運輸局にはたくさん怒られました。「あなたたちは安全をどう思ってるんだ、疎かにしていたんじゃないか、売上が重視だったんじゃないか、やるべきことをやってなかったんじゃないか」と。

伸びている会社だけにそういった風当たりは強いでしょうね。

そうかもしれませんね。素人とは言わないけど、バス会社を設立してたかだか9年。そういう者が、安全について安易に考えていたのではないか、安全に運行できる体制ができていないのではないか、とか、会社が売上重視だから現場の声を吸い上げられていないのではないか、とかたくさん言われました。その時に、もう絶対そういう風に言われない会社にしよう、と誓いました。

そこでまず、いろいろな人に会いに行き、安全について徹底的に考えました。従来、この業界は経験と勘が中心でした。そこにあまりロジカルだとか、データベースだとか、情報処理といった要素を取り入れる風土がなかったのですが、考えれば考えるほど、経験と勘ではこれは無理だろうと思いました。

具体的にはどういった部分でしょうか。

どこまでも人に頼っている部分が多すぎると感じました。それでは、本当の安全は守れない。いったん外に出たら、ハンドル握って頼るしかない。これは怖すぎるなと感じました。

では、事故をどう防ぐかと考えたときに、僕らは高速道路を中心に運行しているので、衝突と高速道路から転落というのが死亡事故、重大事故につながることになります。それを起こさないように仕組みを作るべきと考えたときに、「居眠り運転を防ぐ」「健康起因による事故を防ぐ」、この2つを徹底的にやるぞと誓いました。

健康と安全を重視する中で、新木場BASEではどのような工夫をされていますか?

元々営業所の移転を考えていたのですが、健康と安全について考えていくと、営業所とバスを停めるところ、宿舎、さらに健康的な食事をしっかり取れるような場所がある、ひとつのラボみたいにしたいなと考えて、必要なものは何なのか、構想を練っていきました。

その時に考えた必要な要素としては、もちろん健康管理はしていく必要があるのですが、従来は乗務員に任せていたプライベートの部分も考えました。この課題に対して、拠点をひとつにして、全員がここに集まるようにし、ここから出発するようにしました。そうすると、必然的に必要な機能がどんどん出てくることになりました。現在、ここでは乗務員が宿泊できる部屋が80室あって、全国から来たバスが60台止めることができる。そういったスタイルがやっと実現できました。

乗務員の健康と安全を最優先に、ラボのような存在を目指して「新木場
BASE」を設立したという平山氏。最近では、同業のバス事業者の視察
依頼も多くもらっているという。

新木場BASEの設備はホテル並みですよね。

そうですね。設立して一番大きかったのが、乗務員の移動です。従来は仕事が終わって、バスを止めた後、車庫から宿舎まで30~45分かけて公共交通を使って移動していました。往復で1時間から1時間半くらいロスしていることになります。それを、車庫と宿舎を一緒にしたことで、仕事が終わったら目の前が宿舎になったわけです。その時間を削減することで、乗務員が休息をより多く取ることができます。

さらに、そこに食堂があったら、乗務員にとっても便利だろうなと考えたのが新木場BASEです。実は、新木場BASEの周囲には、コンビニや牛丼屋さんがたくさんあるんですね。下手すると朝昼晩すべてそういったところで済ますこともできるんです。ただ、会社からしたら、健康を全面に打ち出しているのに、食べ物はそのへんの牛丼かコンビニで食べて下さい、では言ってることとやってることの辻褄が合わない。会社として、きちんとした温かい健康な食事が食べれるような環境を作ることが皆さんの健康増進になるし、それが皆さんのひとつの意識改革になればいいなと思いました。

実際、新木場BASEには保健師を配置しており、健康診断でランクの高い人に対して指導をおこなっています。例えば、血糖値の高い人は野菜から食べないと、といったような指導ですね。2018年の1月にここができて、半年くらい経ってようやく整ってきたところです。実際は意識より行動変革を起こすことが大事。その結果、行動を起こす。それをどう促していくのか、環境を整備していくことが大切だと感じています。

これからWILLER EXPRESSに応募してみようと考えている、どらなびユーザーにメッセージを頂けますか?

我々の会社は、ひょっとすると乗務員にとって厳しい会社かもしれません。それはルールとか規律とか決めごとが多い点です。一般的なバス会社に比べたら業界の中では厳しいかもしれない。けれど、その分新木場BASEのような施設もそうですし、やれば成果だったり、その人のスキルだったり能力だったり、結果が出れば反映されるような仕組みになっています。

バス業界は年功序列だったり、入ったもん勝ちみたいなところがあります。酷なところは成果を重んじてるんで、能力がある人は上に上がっていけるし、給料ももらえるという仕組みにしています。

御社はリーダーという立場がありますが、これは他社ではあまり聞きません。

能力のある人、志の高い人は当社で働きやすいと感じるかもしれません。現在は経験者、未経験者を問わず人材を募集しています。お客様から支持の高い乗務員は、意外と未経験者の方が多いんです。変な癖がついていない部分が良いのでしょう。元ホテルマンや企業の管理職をされていた人もいるし、とにかく多種多様です。

共通しているのは、いいサービスをお客さんに届けたいと思っていること。そういった意味で、真面目に業務に携わってくれる人でないと当社はつまらないかもしれません。別にスパルタでやってるわけではありません。接客についても、言葉遣いについても、他のバス会社さんではここまでは言われたことがない、と言われることもあるのですが、そこの目線は下げる気はまったくありません。

我々は、安全についても、施設についても、接客接遇もカスタマーサポートについても、バス会社の中でも突き抜けた存在になろうと思っています。そういった志のある人、理解してくれる人にはぜひ来て欲しいと思います。

ありがとうございました。

CONTENTS 02

日本最高峰の最新施設 新木場BASEの内部に潜入!

CONTENTS 03

WILLER EXPRESS 現役バス運転手さんにインタビュー

WILLER EXPRESS株式会社 長野営業所 丸山 聡さん
聞き手:バスドライバーnavi(どらなび)編集部

新設された「新木場BASE」について、現役バス運転手の立場から語っていただいた
WILLER EXPRESS株式会社 長野営業所の丸山聡氏。

本日はよろしくお願い致します。まず最初に、丸山さんのプロフィールを教えていただけますか?

WILLER EXPRESS株式会社の長野営業所に所属する丸山聡と申します。いまの会社に入社してちょうど1年が過ぎたところです。バス運転手になる前は配送の仕事をしておりました。

バス運転手になろうとしたきっかけは何ですか?

あまりきっかけというわけではないのですが、あえて言うなら、昔から単純にバスが好きだったことが転職のきっかけでしょうか。以前からバスを運転してみたい、という思いは漠然と持っていました。

転職の際にWILLER EXPRESSを選ばれたのはなぜですか?

何年か前に自分が利用したときの運転手さんの対応が非常に良かったので、良い印象を持っていたのと、「WILLER EXPRESS」というブランド力にあこがれて入社しました。初めてバスを運転した時はとても怖かったのですが、幸い当社は研修が充実していまして、指導課長が付きっきりで教えてくれました。

この春にオープンした「新木場BASE」の居心地はいかがですか?

とてもいいですね。バスを降りて目の前に宿舎があるので、すぐに身体を休めることができるのが気に入っています。宿舎が近いのはすごくありがたいですね。部屋も個室でプライベートが守られていますし、周囲の音も気にならないのでゆっくり休むことができます。

以前の葛西臨海公園の営業所と、現在の「新木場BASE」を比較するとどういったところが変わりましたか。

先ほど申した通り、車庫から宿舎への移動時間がないのはとても嬉しいですね。運転して来て疲れている中で、また宿舎まで移動をして…というのがなくなって、その分、休憩時間が増えたのは助かりますね。後は宿舎内に社員食堂があることでしょうか。休憩している部屋からすぐに食べに行けるところにあるのはとてもありがたいです。

ご自身で長野から「新木場BASE」まで運転してきた車両を前に、気軽に撮影に応じて
くれた丸山氏。「新木場BASE」の居心地の良さは最高とのことだ。

丸山さんの一番気に入っている部分はどこですか?

宿泊する部屋ですね。個室になっていて完全にプライバシーが守られているところが気に入っています。後は、新木場駅が近いですので、時間がある時に都心に簡単に行けるところでしょうか。

丸山さんの「新木場BASE」での過ごし方を教えて下さい。

その日によるのですが、朝、長野を出発して、午後にこちらに着いて、また次の日の朝に出庫するという場合は比較的時間もありますので、どこかへ出掛けたりします。逆に夜行で走ってきて朝着いた時は、次の日の出庫まで部屋でゆっくり休んで、身体を休めるようにしています。

「新木場BASE」では、他の乗務員さんと交流したり、コミュニケーションをとったりすることはあるのでしょうか。

部屋に戻る際に、同じ営業所の先輩と会って話したりとかします。普段なかなか会わないですから、ここでしかコミュニケーションが取れないことも多いですので、いろいろ相談させてもらったりしています。先輩方は皆、嫌な顔せずに教えてくれるのでありがたいですね。これまでは、どこに誰がいるのかわかりませんでしたが、こういったあちこちから運転手が一同に集まる施設があるからこそ、できていることだと思います。

最後に、これからWILLER EXPRESSさんに応募してみようと思っている方に、現役バス運転手である丸山さんからメッセージを頂けないでしょうか。

入社して分かったのですが、当社はがんばった分だけしっかりと見てくれていて、評価してくれます。さらに、多くの先輩が教えてくれたり、フォローしてくれる点がとても好きです。1年経った今でも、もちろん不安はあります。あれだけ大きいバスを運転しているので、他の歩行者とか自転車や車や交通にも配慮していかないといけないし、当然40名のお客様を乗せて、命を預かって運転しているわけですから、それは大きな責任があります。例えば、どうしても定時に間に合わないような時があるのですが、そんな時でも研修で「絶対に慌てるな」ということを最初から教えられてきたので、しっかりと対応することができるようになりました。実際にやってみないとわからないところもあると思いますので、ぜひバス運転手に挑戦して頂きたいと思います。