【バスマガジンWebより】どうすりゃいいの……深刻さを増すバスの乗務員不足問題の解決策とは

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3月15日 バスマガジンWebより「どうすりゃいいの……深刻さを増すバスの乗務員不足問題の解決策とは」

https://busmagazine.bestcarweb.jp/feature/column/175927

 

 乗務員不足が深刻だ。コロナ禍で一時的に採用を縮小する事業者も存在したが、各社の動きが再び積極的になっている。乗務員不足の背景や今後を整理する。なお国の統計は、公表に数年かかるものも多いため、データはコロナ禍前の数字を紹介する。

(記事の内容は、2022年11月現在のものです)
文、写真/成定竜一
※2022年11月発売《バスマガジンvol.116》『成定竜一 一刀両断高速バス業界』より

■再び深刻な乗務員不足

  まず、国全体でみると、日本の生産年齢(15~64歳)人口は、ピークだった1995年に比べ約15%減少した。終戦直後、各年に260万人超が誕生した「団塊の世代」がここ10年ほどでリタイアした一方、今年の新成人は約120万人。100万人以上の「働き手」が、毎年、消滅しているのだ。

 極端な人手不足は、したがって、バス業界だけの問題ではない。帝国データバンクの調査によると、正社員不足企業の割合は、「旅館・ホテル」「情報サービス」らが上位に並び、「運輸・倉庫」は8位に過ぎないらしい。

■実は増加しているバス乗務員

 次に、事業用バス乗務員の総数を見ると、意外かもしれないが、ほぼ同期間で約20%も増加している。

 この20年間、貸切バスの規制緩和で新規参入が相次ぎ、バスの総数が増加した。同時に、運行管理の規制は強化が進み、同じ業務量でも人を手厚く配置する必要も生まれた。

 働き手は減り、乗務員の定数は増加した。足りないのは当然だ。

 そのような中、各業界共通の戦略は、「若年層/女性/外国人/シニア」4分野の活用促進だ。ところが、バスは外国人労働者受け入れの各種政策の対象となっておらず、また健康起因事故が相次ぐ現状を考えると、シニアに頼りすぎるのも難しい。

 残るは、若年層と女性だ。前者の対策として、今年、大型二種免許の受験資格が見直された。条件を満たせば19歳から大型二種を取得できる。

 鉄道は、同業者間の転職が難しい分「駅員→車掌→運転士」と社内育成できるのに対し、バスは育成してもすぐに転職する恐れがあるが、そうも言っておられない。

 高校新卒者を採用し、1年程度で乗務員デビューさせる事業者は増えるだろう。もっとも、少子化と進学率上昇で高校新卒者自体が貴重となっており、遅きに失した印象だ。

 女性乗務員は、現在、全乗務員中2%程度。自衛官でさえ、女性比率は約8%あるという。休憩室やトイレなどの営業所施設、制服、勤務シフトなど工夫が急務だ。大手私鉄系事業者らが様々な施策が行なっているから、参考にできる。

■効果的に社会への情報発信を

 もう一つ大きな課題が、バス乗務員に対する世間の印象だ。近年、大きな事故が相次ぎ、中小零細の事業者の実態が報道された。

 安全確保の体制も乗務員の待遇も、いわば最低ランクの会社の現状が世間に広がりすぎてしまった。本人は乗務員志望だが家族から止められる「嫁ブロック」という言葉さえあるという。

 だが、たとえば公営や私鉄系の事業者の安定度や待遇は、今の日本では、他業界に比べ決して悪くはないはずだ。

 むろん、私鉄系事業者の分社化などで、30年前と比べると待遇は下がっており、不満はあるだろう。

 ただ、世間は、その不満と、報道で伝わる底辺の事業者の「ワーキングプア」イメージを混同してしまう。このままでは、大手事業者の求人にも、働く当人の自尊感情にも影響する。待遇改善はもちろん重要だが、同時に、事業者間の違いをより可視化することも必要だ。

 一方、大手を中心に、運転や接客について会社の「管理」は厳しくなっている。技術や意欲はあるがその雰囲気を嫌う人はいるはずで、名の知れた大手の乗合事業者に代わる選択肢を提示し、自身に合う会社に納得の上で入社できる環境を作ることが、定着率の向上に有効だろう。

 また、「自動運転」を想起しやすいせいか、自動化により職をなくすという心配も聞かれる。

 だが冷静に考えると、他業種では、IT導入により「8人だった職場を7人にと、人手を少しずつ減らしている。バスは元から「ワンオペ」だ。当面の間、自動運転技術は、運転の補助や事故防止に寄与はしても、「1人→0人」の変化が一気に進むとは思えない。

 最後に、「どらなび」のような民間の求人サービスは、短期的な成果(採用数)を求められる。そのため、現に乗務員を志望している人が対象となる。一方、バスの仕事の魅力を広く社会に発信し、バス乗務員志望者の総数を増やすことも重要なのだ。

※引用

どらなび監修である、高速バスマーケティング研究所代表 成定竜一氏がバス乗務員不足について書いた記事になります。

乗務員不足の現状に対し、分かりやすく解説がされています。背景や今後を知ることで、少しでも不安が解消されると幸いです。

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▼どうすりゃいいの……深刻さを増すバスの乗務員不足問題の解決策とは

https://busmagazine.bestcarweb.jp/feature/column/175927

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