海部観光が待機中のバスを災害避難所に

 海部観光(美波町)は、阿南市内原町の同社の駐車場に止めてある大型バスを災害発生時の一時避難場所として周辺住民に使ってもらう。地元の津乃峰小学校からの要請に応えた。日本バス協会(東京)は「被災時に、移動手段ではなく避難所としてバスを使うというケースは全国でも聞いたことがない」としている。

津乃峰小では2月6日に牟岐町で震度5強を観測する地震が発生した際、約160人の児童が約500メートル離れた防災公園(標高約8メートル)に避難した。公園に寒さや風雨をしのぐ建物がなく、体の冷えを訴える児童が多かった。

このため、乾和彦校長が高台にある大型バスに着目し、協力を求めた。同社も「地域に貢献したい」と快諾した。21日、駐車場のバス内で同社と津乃峰小PTA、津乃峰町自主防災会合同会議、阿南市の4者で利用協定を締結する。

同社によると、駐車場は標高約24メートルの高台にあり、待機や点検のため常時10台程度が止められている。1台当たりの乗車定員は45~55人。車内にはエアコンやトイレがあり、エンジンをかけた状態で2、3日間は冷暖房が利用できる。

同小から駐車場までの距離は約1・2キロで、徒歩での所要時間は25分程度。同小では有事の際、まずは近い距離にある防災公園へ向かい、天候や被災状況を見ながら駐車場に移る避難パターンを想定している。乾校長は「安心、安全に過ごせる場所を提供していただき、非常にありがたい」と話している。

【写真説明】災害発生時に一時避難場所として提供される海部観光のバス=阿南市内原町の同社駐車場

 

http://www.topics.or.jp/localNews/news/2015/04/2015_14294921056624.html

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