バス運転手の仕事 観光バス編

バス運転手の現場に行ってきた!観光バス編 楽しい思い出作りを支える観光バスの運転手 取材協力:日の丸自動車興行株式会社板橋営業所

東京の名所をぐるりと巡ることができる「スカイバス」をご存知だろうか。

日の丸自動車興業が運行している2階建てフルオープンの開放感溢れるこのバスは、東京を訪れる国内外の観光客に人気の観光バスとなっている。このバスを運転しているのが、今回インタビューにご協力頂いた日の丸自動車興業株式会社板橋営業所の田畑奨さんだ。田畑さんはトラックの運転手を経て日の丸自動車興業に入社。以来、観光バスの運転手となって13年目のキャリアを誇るベテラン運転手だ。田畑さんはどのようなところに魅力を感じて観光バスの運転手になったのだろうか。

「もともと自動車は好きで大型の免許も持っていました。また、小さい頃に観光バスに乗車した際に、大きなバスを運転する観光バスの運転手にとても憧れまして、まずはトラック運転手で経験を積んでから、夢であった観光バスの運転手になることができました」

そんな田畑さんだが、トラック運転手からバス運転手に転職した際はいろいろな違いにとまどったという。

「大きな違いはトラック運転手に比べて自由がきかない点ですね。トラックでは自分のペースで運転していましたが、バスではお客様が乗っていますので、しっかりと行程を守りながら運転しなくてはいけません。しかし、逆にそれが責任感ややりがいにつながっている部分もあり、お客様のために常に安全運転を心がけてハンドルを握っています。観光バスの運転は初めてで、最初は不安もありましたが、研修や先輩にしっかり指導頂けたのでそのあたりの不安はすぐになくなりましたね」

長くバス運転手を勤めあげている田畑さんだが、仕事へのモチベーションは常に高いという。

「やはりお客様から「ありがとうございました」と笑顔で言って頂けると非常に嬉しいですね。観光ツアーなどを担当させて頂いてお客様と仲良くなったりできると、とても楽しく、またがんばろうと思えます。また、日本のいろいろな土地に行くことができますし、ご当地の美味しいものを頂くことができるのも観光バスならではの魅力ですね。まだまだこれからも観光バスの運転手をがんばっていきたいと思います」

今回インタビューさせて頂いたのは、日の丸自動車興業株式会社板橋営業所に所属し、都内の観光名所を回る「スカイバス」のハンドルを握る田畑奨さん。
トラック運転手から観光バス運転手に転身されて13年目となる田畑さん。常に安全運転に気を配りながら、2階建てバス「スカイバス」を運転している。

「腕より心」をモットーにした人材採用

「腕よりも心」をモットーに会社一丸となって安全運転に取り組んでいます」とお話頂いたのは日の丸自動車興業株式会社板橋営業所所長の北原征賓氏(左)と運行管理課課長の橋本英也氏(右)。

あちこちの観光地へお客様を乗せて走る観光バス。その運転手にはどういった人が適任なのだろうか?日の丸自動車興業株式会社で運転手の採用を担当されている運行管理部運行管理課課長の橋本英也氏と板橋営業所所長の北原征賓氏にお話をお聞きした。

「日の丸自動車興業は創立38年で貸切バスを本業に創業しました。その後、サロンカーや2階建てバス、水陸両用のバスなどを導入し、さらにお台場や丸ノ内、日本橋の循環バスなども運行、ホテルへの直行バスなども走らせております。7割が旅行代理店さんからの観光バス、3割が自社の観光路線となります。そういった中で、会社の規模を拡大するためにも一人でも多くの方に来ていただきたい状況です。社風として「腕よりも心」という言葉があり、バス運転手の経験がなくても、サービス業でもあるバス運転手として、お客様とより良いコミュニケーションが取れる方を採用したいと思っております」

都内の観光名所をぐるりと回ることができる「スカイバス」。2階はフルオープンとなっており、開放感を味わいながら東京の街並みを堪能することができる。

経験は不問ということだが、それは入社後の研修がしっかりしている証拠でもある。

「入社後はいきなり観光バスで遠くまで行くのではなく、都内の循環バスなどで経験を積んでもらうようにしています。もちろん、慣れるまでは先輩に付いてもらい、安全運転の基本をしっかりと学んでもらいます。そこから運転技術を身につけて、ステップアップしていってもらう育成制度がきちんと整っておりますので、バス運転手の経験がない方でも不安がらずに応募頂きたいと思います」

気になる勤務形態はどうなっているのだろうか。

「出勤日は1ヶ月前に自分のローテーションが分かるようになっていますので、プライベートの予定も立てやすいと思います。ただ、観光シーズンについては稼ぎ時でもありますので、なかなかお休みを多く取ることは難しくなります。その分、オフシーズンのときにしっかりと休んでもらうようにしています。当然、コースや内容によって出勤時間や拘束時間も異なってきますが、入社後しばらくは都内の循環バスなどを担当してもらうことで、仕事のリズムが取りやすいように配慮をしています。その後は経験によってステップアップしてもらい、最終的にはバス運転手の最高峰とも言える貸切バスの運転を担当してもらうようになっています。貸切バスになると仕事を通じて日本各地に行くことができますので、そういったこともこの観光バス運転手の大きな魅力でしょうね」

「スカイバス」の2階はご覧のように素晴らしい開放感となっており、特に春や秋は観光客でごった返している。
都内のビル群の中を奨「スカイバス」。普段、歩いているのでは絶対に見ることができない大迫力のパノラマを楽しむことができる。
こちらは日の丸自動車興業のフラッグシップモデルである「ベガス」。メルセデス製の大型バスとなっており、社内にはゆとりのある空間が広がっており、さらにトイレも付いている。

最後にお二人からこれから観光バスの運転手を目指したい人へ向けてメッセージを頂いた。

「先ほども申しました通り、我々は「腕よりも心」をモットーにやっております。運転技術は入社してからいくらでも身につけることができますが、やはり一番大切なのはお客様のために前向きにがんばるという「心」の部分だと思います。そういったことに共感してもらって、責任のある仕事をしてみたいと思って頂いたならぜひチャレンジして頂きたいと思います」

ある日の田畑さんの出社から出発まで

  1. 01

    営業所に出社する田畑さん。営業所で準備をしてからスカイバスを丸ノ内の出発地点まで回送することになる。

  2. 02

    出社し、まずはタイムカードを記録する。ちなみに自分の出勤日は1ヶ月前に分かっているので、プライベートの予定も立てやすいという。

  3. 03

    営業所の入口に置かれている勤務表をチェックし、自分の乗務するバスとダイヤを確認する。

  4. 04

    自分の乗務するバスを確認し、免許証を提示しながら点呼をおこなう。

  5. 05

    出発前に「スカイバス」の周囲を確認する。まずタイヤ周りをチェックする。

  6. 06

    続いてエンジンルームでベルトの緩みやオイルの残量などをチェックする。

  7. 07

    バスの2階へ上がりシートベルトなどをチェックする。これで問題がなければお客様の出発地点である丸ノ内までバスを回送させる。