バス運転手の仕事 路線バス編

バス運転手の現場に行ってきた!路線バス編 10年キャリアのバス運転手に出会う 取材協力:株式会社東急トランセ 淡路島営業所

地域の交通インフラを支える、やりがいのある仕事

「バスの運転手というのは、運転手でありながらサービス業でもあり、非常に奥が深い職業だと思っていますね」。路線バス運転手として10年のキャリアを持つ株式会社東急トランセの蝶名林正流さん。昨年、その10年のキャリアを通じて無事故無違反で表彰された輝かしい経歴を持ち、後輩の指導なども担当するベテラン運転手はそう語る。

そんな蝶名林さんの前職は海上自衛隊。機体の整備作業などに従事していた蝶名林さんがバス運転手に転職したのは2004年のこと。ご自身のキャリアを考えた際に、大型二種という免許に興味を持ったことと、運転自体が好きだったということもあってバス運転手に転職したという。

しかし、まったくの異業種からの転職で不安はなかったのだろうか。

「最初のイメージは怖そうな先輩が多くいるのでは、と思っていました(笑)。しかし、実際はそうではなく、いろいろな業種から集まった方が多くおり、さまざまなお話が聞けたりしてとても楽しいですね。また、会社のほうからもしっかりとサポートしてもらえることもあり、最初に抱いていた不安は入社したらすぐになくなりましたね」。

また、バスの運転手に実際になってみると、外から見ているイメージとはまったく異なっていたという。

「もちろん会社や環境にもよると思いますが、バスの運転手というのはお休みも定期的にしっかりありますし、収入も安定しています。急な残業などもあまりなく、スケジュールがつけやすいので、仕事をしながらプライベートを充実させることもでき、そういった意味では一般的なイメージとは大きく異なっていると思いますね」。

今回お話をお伺いしたのは株式会社東急トランセの蝶名林正流さん。バス運転手になって10年。無事故無違反で表彰も受け、後輩の指導なども担当するベテラン運転手だ。
お客様と交流を深めながら、路線バスの運転手として地域の交通インフラを支えることに大きなやりがいを感じるという蝶名林さん。10年のキャリアを持つがバスの運転は非常に奥が深い仕事だという。

運転手として心がけること

そんな蝶名林さんが普段の業務で心がけていることはどんな点なのだろうか。

「私が配属されている営業所は住宅地で非常に交通量が多い地域です。そんな中で安全面には細心の注意を払っております。営業所内は狭い道路も多いのですが、特に気をつけているのは最近多くなっている自転車や二輪車ですね。常に緊張感を持ちながら安全運転を心がけております」。

蝶名林さんはバス運転手になってよかったと思ったところが多いという。

「路線バスは通勤通学などで利用してくれるお客様が多いですから、そういったお客様の姿を見ていると地域の公共インフラとして社会に貢献していると思える部分があったり、お客様の中には私の顔を覚えてくれたりして、ちょっとしたコミュニケーションがあったりもします。そういったことは仕事をする上で大きなモチベーションになりますね」。
「あとはやはり生活の安定ですね。しっかりと安定した給与をもらえることは大きいと思います。長く安心して勤めることができると思いますね。ただ、バスの運転というのは非常に奥が深いものでもあります。自分が一人前の運転手になれた、と思うのはきっと勤めあげて退職する日のことでしょうね。それだけやりがいのある仕事だと思います」。

人柄重視で採用

では、バス会社はどういった人材が欲しいのだろうか。実際に採用活動に携わっている株式会社東急トランセ総務・人事部採用課の村井敏洋係長にお話を伺った。

「現在、バス運転手は非常に不足している状況です。そんな中で東急トランセとしては、バスの運転経験あるなしに関わらず、興味があればまずは応募してもらいたいと思っております。運転適性は見させていただきますが、運転がうまい、ヘタというよりも、むしろコミュニケーション能力が高かったり、人と接するのは好きかどうか、といった部分をしっかりと見ていくようにしています。運転が好きな方はもちろん、普段運転していない人でも、入社後はプロのバス運転手になるまでサポートする体制は整っていますので、その点は心配しないで、まずは応募して頂きたいですね」。

バス運転手の採用についてお話を伺ったのは株式会社東急トランセ総務・人事部採用課係長の村井敏洋さん。採用の際は特にコミュニケーション能力を重視した採用活動をおこなっているという。

実際にバスの運転手になれるのかと未経験者は特に不安になることも多いと思うが、大型二種免許取得支援制度など、しっかりとしたサポート体制が敷かれている会社が多いという。

「例えば東急トランセでは、大型二種を持っていない場合は養成社員として入社してもらいます。東急グループの東急自動車学校に入校してもらい、免許の取得から技術の向上を目的とした運転の練習を最長3ヶ月間おこなってもらいます。会社が求める技術水準に合わせてしっかりとプロの教官から学ぶことができます。さらに1ヶ月半ほど社内の教育センターにて接遇の仕方や運賃機の取り扱いなどの座学や運転技術について教習をおこなってから営業所へ配属になります。配属後も先輩運転手がマンツーマンの体制で路線を覚えたり、さまざまな指導をしてくれます。このように未経験の方でも、一人立ちできるようになるまでしっかりとしたサポート体制を敷いております」。

「入社後の研修や指導もしっかりとしたサポート体制を敷いているため、未経験者や運転のうまい、ヘタに関わらず、やる気や興味があればぜひ応募してもらいたい」と語る村井係長。

最後に、これからバス運転手に転職してみようと思っている転職希望者にメッセージを頂いた。

「大きな車体のバスを運転するという点が一番不安に思う部分だと思いますが、会社としてしっかりとしたサポート体制を整えておりますので、その点に関して不安に思って頂かなくても大丈夫だと思います。また、長時間労働だったり、拘束時間が長いといったイメージがあるかもしれませんが、実際はそんなことはなく、シフト制で勤務時間も決まっており、急な残業というのもほとんどありません。むしろ家族との時間がしっかり取れたり、プライベートが充実したと言っている先輩運転手も多くおります。そういった意味で、まずはご応募いただき、その後説明会で弊社のことを知っていただければと思っております」。「門戸は常に広く開けておりますので、少しでも興味があればぜひ応募して頂きたいですね」。

路線バス運転手の一日に完全密着

  1. 01

    ここからは蝶名林さんの一日に密着。
    まずは出社したらすぐに営業所入り口に設置されている機械でアルコールチェックをおこなう。

  2. 02

    ロッカーへ移動して制服に着替える。
    制服に着替えると身が引き締まる思いがするという。

  3. 03

    営業所の入口に置かれている勤務表をチェックし、自分の乗務するバスとダイヤを確認する。

  4. 04

    乗務するバスを確認したら、バスの鍵を取りに行く。

  5. 05

    バスの鍵と金庫を持ち、実際に乗務するバスの準備に向かう。

  6. 06

    法令に基づく、日常点検を行う。

  7. 07

    次にバスに乗り込み、シートやミラーを合わせ、実際に運転する路線のデータを入力する。さらに車内の確認をおこなったら出発準備が完了。

  8. 08

    乗務時間が近くなったら出発前の点呼を行い、自分が運転するダイヤ表を受け取る。乗務を前に気が引き締まる瞬間だ。

  9. 09

    先ほど整備したバスに乗り込んで、いざ乗務開始!

  10. 10

    大きな車体のバスを見事な運転技術で安全に運行するバス運転手。

  11. 11

    ダイヤに沿って運転し、無事に乗務が完了したら金庫を装置に入れて精算する。最近はICカードの普及で現金は少なくなってきているという。

  12. 12

    金庫とバスの鍵を返却して乗務終了の点呼をおこなう。

  13. 13

    無事に一日の乗務が終了し、着替えを済ませて営業所をあとにする蝶名林さん。今日も一日、お疲れ様でした!

今回、バス運転手の一日に密着させて頂いたのは淡島営業所に勤務する蝶名林正流さん。バス運転手歴10年のベテラン運転手である。
取材に協力頂いた淡島営業所。世田谷区の住宅が広がる中にあり、通勤通学の足として利用される路線を多く運行している。