バス運転手の仕事 高速バス編

バス運転手の現場に行ってきた!高速バス編 都市と都市を結ぶなくてはならないインフラを守る 取材協力:WILLER EXPRESS関東株式会社

多くの魅力が詰まった高速バス運転手

「高速バスの運転手になって本当によかったと思います」。インタビューの最後にそう言って笑顔を見せてくれたのは新進気鋭の高速バス事業者「WILLER EXPRESS関東」の運転士である吉本和樹さんだ。

吉本さんはもともと飲食業界で活躍されていたそうだが、2年前にWILLER EXPRESS関東株式会社に入社。今では若手のホープとして、同社の最高級バス「コクーン」を始めとした高速バスのハンドルを握る毎日だ。高速バスの運転手へ転職をしたきっかけは、吉本さん自身がよく高速バスを利用していたことと、お客様を遠くの目的地まで運ぶことに対して魅力を感じたからとのこと。まったくの異業種から転職となったわけだが、吉本さんに不安はなかったのだろうか。

「やはり慣れるまでは全長12mという大きなバスの運転は思っていたよりも大変でした。しかし、しっかりとした研修制度が整っていましたし、先輩方からもたくさんの指導を頂いたおかげで、スムーズにバスの運転手として独り立ちすることができました」。

高速バスの運転手になってみて分かったのは、イメージ以上に非常に魅力的な職業だということ。

「お客様と接することができるのは大きな魅力ですね。サービスエリアなどでお客様から一声「お疲れ様です」と声をかけて頂けるととても嬉しいですね。また、路線バスに比べて高速バスは新型車両が短期間で導入されるので、新しい車種に乗れるのは運転手冥利につきますね。あと、日本各地へ行けることでしょうか。現地のおいしい食べ物を食べることができるのも楽しみの一つです(笑)」。

最後に、高速バスの運転手として喜びを感じるときはどんな時なのか聞いてみた。

「現在の業務は夜間に走ることが多いので、お客様はお休みになっていらっしゃいますから静かな運転を心がけています。そんな中でお客様から「ゆっくり休むことができました」といったお声をかけて頂くと非常に嬉しいですね。バスの中ではゆっくり休んで頂いて、目的地に着いてお客様が元気に出発頂ければ最高ですね」。

今回お話をお伺いしたのはWILLER EXPRESS関東株式会社の吉本和樹さん。飲食業からバス運転手になって2年半。若手運転手のホープとして、これからの活躍が期待される。
お客様と接することができるのも高速バス運転手の大きな魅力という吉本さん。異業種からの転職だったが、しっかりとした研修制度のおかげでスムーズに独り立ちすることができたという。

運転経験よりもコミュニケーション能力を重視

現在、「ウィラーグループ」は年々拡大を続けており、現場の核となるバス運転手を随時募集している。では、採用する側としてはどのような人を採用してみたいのか。実際に採用業務に関わる、WILLER EXPRESS関東株式会社運輸部長の佐々木俊治氏と総務課係長の高橋秀樹氏にお話を伺ってみた。

高速バス運転手の採用についてお話を伺ったのはWILLER EXPRESS関東株式会社運輸部長の佐々木俊治氏(右)と総務課係長の高橋秀樹氏(左)。

「我々のグループは最初に貸切バスからスタートしたのですが、現在は貸切バスをやめて高速バスがメインとなっております。その中でも東京大阪間の路線が大きな割合を占めておりますが、順次地方での路線拡大も進めております。そんな中でバス運転手は常に不足しており、随時募集をかけさせてもらっております。やりたいことはたくさんあるのですが、もっと運転手がいれば…という状況ですね。ぜひ多くの方に運転手に応募して頂きたいと思っております」。

「我々としては未経験でもいいので、明るくやる気があり、お客様と接することが好きな方にぜひ来て頂きたいと思っております。一昔前は高速バスの運転手というと若干怖いイメージがあったかもしれませんが、最近は女性のお客様も増えておりますし、明るく接客することで、お客様が繰り返し利用して頂けるようなサービスを心がけなくてはいけません。そういった意味でバスの運転経験よりも、サービス業としての素質、コミュニケーション能力を特に求めております。逆にコミュニケーション能力がある方で、運転は指導すれば独り立ちできそうな方でしたら、運転手未経験でも採用していきたいですね」。

高速バスは特に大型の車種が多いため、高速バス運転手に興味はあるが未経験なので不安を感じる応募者もいると思うが、その点を採用側としてはどう考えているのだろうか。

「約1ヶ月〜2ヶ月の研修を受けて頂きます。運転がメインになりますが、それ以外に座学もあります。その後、ウィラーグループ内の試験を受けて頂き、合格するまでバスに乗務することはできません。接客についても運転についても、安心してお客様が乗って頂けるようになるまでしっかりと研修で覚えてもらいます。もちろん、試験に合格したあとも、ベテランの運転手がついて3ヶ月ほどしっかりと指導します。決して入社後すぐに現場に出させるといったことはないので、そこは安心して応募頂きたいと思います」。

また、高速バスというと夜間の運行がメインになるが、気になる勤務時間についても聞いてみた。「基本的には運転手全員がすべての路線に乗務できるように考えております。また、原則400km以上の距離になるとツーマン体制になりますが、その組み合わせも誰とでもタッグを組むようになっています。現在、基本は月に8~9日の休日が取れるようになっており、状況に応じて公休日に、出勤頂く場合はその分手当が付くようになっています」。

「一日の流れとしては、夜の7~9時の間に車庫を出発し、1~2箇所でお客様を乗せて、最後に弊社の新宿バスターミナルで多くのお客様を乗せて出発となります。走行中は2時間に一回、ワンマンなら休憩、ツーマンなら運転手の交代が入るようになっています。その後は目的地付近の2~3箇所でお客様を降ろしたあと、朝の7~9時に最後の目的地へ到着します。日中は目的地付近の宿泊施設(ホテル、借り上げのマンションなど)に入って休み、夜の7~9時に再びバスを出発させ、翌朝に東京へ帰ってくるというのが主な流れになります。この流れを2~3往復すると休日になります」。

「高速バスの運転手は非常にやりがいのある職業です。明るく、コミュニケーション能力の高い方を待っています」と語ってくれた佐々木部長(左)と高橋係長(右)。

また、ウィラーグループは安全に関わる部分についてはかなりのこだわりを持っている。例えばバス運転手の健康管理についてだ。

「バスの運転手は4週間に乗務できる時間というのが決まっていますので、休日もしっかりと取ることが可能です。運転手の健康管理には非常に気を使っており、過労運転にならないよう、勤務時間の管理は厳しくするだけでなく、ある一定の年齢になった方へは会社の負担で脳ドッグや睡眠時無呼吸症候群の検査を受けてもらったり、健康診断も年に2回実施しております。安全につながる部分については徹底的にこだわった施策を行っております」。

最後に、これから高速バス運転手に転職してみようと思っている転職希望者にメッセージを頂いた。

「高速バスというのはこれからもますます需要が高まっていくジャンルです。多くのお客様を乗せて目的地まで安全に大きなバスを運転するということは非常にやりがいのある仕事です。少しでも興味を持って頂いたなら、経験のあるなしに関わらず、ぜひチャレンジして頂きたいと思います」。

高速バス運転手の一日に完全密着

  1. 01

    吉本さんに高速バス運転手の勤務の流れを解説して頂いた。営業所についたらまずはロッカーで制服に着替える。

  2. 02

    続いてアルコールチェックを受ける。

  3. 03

    営業所の入り口で自分が乗務するバスのダイヤや車番をチェック。

  4. 04

    営業所の入り口に置かれているリストをチェックし、自分の乗務するバスとダイヤを確認する。

  5. 05

    出発前のバスの点検をおこなす。バスのナットのゆるみや空気圧をチェック。

  6. 06

    次にエンジンルームを明けてエンジンやオイル周りのチェックをおこなう。

  7. 07

    次にバスに乗り込んでライトのチェックや車内のチェックをおこなう。

  8. 08

    時間になったら営業所内で点呼をおこなう。

  9. 09

    実際に運転席に座って出発。都内2~3箇所で乗客を乗せたあと、一路目的地へ向かってハンドルを握る。翌日の朝に目的地に到着後休憩へ。

  10. 10

    再び目的地からハンドルを握り、朝に東京へ到着となる。営業所に戻ったら車内の清掃をおこなう。

  11. 11

    簡単な車内清掃のあと、再び点呼を受けて乗務終了。私服に着替えて帰宅となる。お疲れ様でした!

今回、高速バス運転手の一日に密着させて頂いたのはWILLER EXPRESS関東株式会社に勤務する吉本和樹さん。高速バスを運転して2年半。次世代を担うホープとして会社からも期待されている運転手である。
取材させて頂いたWILLER EXPRESS関東株式会社臨海車庫にて、吉本さんとピンクのカラーリングが施されたウィラーグループのバス。車庫は後方に葛西臨海公園の観覧車が見える広々とした環境にあった。